メルカリの財務諸表を読む

4/30に第3四半期の決算が出ましたが、財務諸表を読んでメルカリの収益構造を確認したいと思います。

https://about.mercari.com/ir/library/results/
2021年6月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕

 決算の内容を見ると四半期で売上261億円、損益1億円となっています。ペイペイフリマの手数料引き下げなど、競合他社の戦略がありましたが大きな成長を続けています。

 貸借対照表を見ます。流動資産は多少の上下がありますが大きく動いていないように思います。固定資産は有価証券の売却を行なったとのことで、その金額が大きくマイナスとなっています。差入保証金の増加に関しては短信内で言及がありますがメルペイでユーザーがチャージした金額を法令(資金決済法)に基づき計上しているものと思われます。資産は500億円増加しています。
 続いて負債です。預かり金が300億円増加していますが、これはユーザーの支払いをメルカリを経由する際に計上していて、取引が増えれば比例するので特に問題ないです。その他の項目も微上昇していて負債は500億円増加しています。

 損益計算書を見ます。売上高や利益が増加していて、販売費や一般管理費が減少となっています。特に人員整理をしていないはずなので広告宣伝費を削減したなどかもしれません。負債の長期借入金が512億円計上していますが、支払利息が18億円しかなく脅威的な低金利ですね。コロナ禍特有の超低金利の借入(もしくは関係者の個人資産を運用している?)などでしょうか。投資有価証券売却益も大きな数字が入っていますが、固定資産のところで記載した通りです。

 決済事業を見ます。2021/4/21時点で利用者が1000万人を突破したとのことです。競合のPayPayは3000万人、キャンペーン時の1日の決済数が1000万を超えたとのことですが、メルペイの決済数の進捗も見てみたいですね。とはいっても、メルペイが注力している(と自分が思っている)のは15%程度の金利が取れる定額払いの取り扱い高を増やすことだと思うので単純な決済数を比較してもあまり意味がないかもしれません。

 決算の結果を見て、50%の成長であったり、アメリカのGMVやアクティブが脅威的な数字で伸びていますが、第2四半期と第3四半期で売上やGMVの伸びがやや鈍化していることと、第4四半期がさらに減速する予想を受けて、株価は時間外取引にて減少基調で動いています。現時点でメルカリグループの時価総額は約8000億円ですが、今後の成長見込み含めて注視していきたいです。

 メルペイも、d払いも、PayPayもクーポン機能の実装をしていて、いつも利用していて思うのですが、なぜわざわざ手動でクーポンを探して獲得しなければいけないのでしょうか・・・?決済時に、利用可能なクーポンの中で利用者にとって一番利率の高いものを自動反映する機能を提供して欲しいですね。たしか資金決済法だか、景品表示法だかで利用者が決済金額を画面に表示してユーザーが認知した状態で決済行為(ボタンを押下するなど)しなければいけないという決まりがあったかと思いますが、d払いやPayPayでは「決済時のクーポン自動反映機能」を提供しているため、不可能ではないと思います。一通り見直してみましたが当該項目が見つけられなかったので、もう少し調査してみようと思います。ついでにPayPayはTポイントカード機能もあるので、PayPayで決済すれば加盟店であれば自動的にTポイントが貯まる機能の提供もお願いいたします。

以上、よろしくお願いいたします。