ベネッセの決算を読む

先日ベネッセに投資する記事を書きましたが5/11決算が出たので読みます。

決算

https://www.benesse-hd.co.jp/ja/ir/library/results/index.html
2021年3月期 決算説明会資料
2021年3月期決算短信

短信

数字に関しては前回情報修正の記事で書いていたので省略します。売上高は前期比でほぼ横ばい(448億→427億)まで回復したが、利益は40%ほど減益(212億→130億)となっています。この決算でも1株あたりの純資産は微増しているのは、馬力のある企業だからこそですね。
 来季の予想は、売上高は横ばい(427億→441億)、利益は大幅増益(130億→175億)を見込みます。Q1で緊急事態宣言が出ている中で、この予想はかなり強気だと思いますし、新しい社長で攻めの姿勢を示したい思いが伝わってきますね。

財務

流動資産、固定資産はいずれも微上昇となっています。負債は「1年内返済予定の長期借入金 」が大幅に減って、「長期借入金 」が大幅に増えていることと、社債が100億増えています。資産が5400億に対して負債が3600億となり、負債の割合が少し大きいのは気になりますが、前述の通り1株あたりの純資産は増加しているので資産を増やす仕組みは機能しているので懸念はないかと思います。
 利益は、収入/支出いずれの項目も前期と微増微減となっています。「補助金収入 」に15億計上していて、経常利益が大幅に伸びたきっかけの数字ですね。特損に「在外連結子会社リストラクチャリング費用 」があり、15億計上しています。「臨時休業等による損失 」7億はコロナ禍によるものですね。
 キャッシュフローは、このご時世厳しいですが支出が増加しているのが懸念ですね。利息の支払額が60億、返済が140億など今後も継続して掛かってくるため、事業のスピードや品質に悪影響が出ないかと気になります。

事業

国内教育は在宅需要で微成長と、海外教育と介護とベルリッツは減速となっています。大きな原因はコロナウイルスによる自粛で、競合事業者との競争も激化しています。国内教育は早期回復したため、まだ回復途上の介護事業とベルリッツの業績がそのまま利益の伸びにつながります。今回ベルリッツは早期利益化を目指すためリストラを敢行していて、早い段階で損益分岐点が来るかと思います。しかし、市場優位性である語学教育リソースが減るため利益は出るけど続伸に時間がかかるような状態になるでしょう。

統括と今後の展望

決算時点では、PER75倍(終値2,427円/1株あたりの純利益32円)になっていて、相当に割高な状態です。来季予想で考えると、同じ株価でPER47倍(終値2,427円/1株あたりの純利益51円)まで落ち着きます。中長期的な事業計画を見ても、大幅な増益につながる新しい事業の柱はなく、利益を積み上げる見込みは回復が遅れているベルリッツくらいかと思います。そうなると中長期的な見通しを考えても今後上昇は難しいかと思います。現時点で好調な個人向けの教育事業の利益を原資に、学校向け事業に注力して行政や地方自治体とガッチリ組むのが、会社の強みを生かす戦略ではないかと思います!
 個人的には教育と娯楽を絡めて知育ゲームを開発している任天堂やDeNAと早急に業務提携して、新事業を発表すればストップ高いくでしょう!ついでにしまじろうスマブラ参戦!!

以上、よろしくお願いいたします。