通信系ソフトを主たる収入源にする受託開発の独立系SIerで、富士通とNTTグループに強いコネがあります。最近の決算を読み取ります。
財務状況
貸借を見たところ、収益はほぼ横ばいなので各項目は微増微減のため特記事項はありません。50年弱経営している会社のため自己資本比率は80%を超えていて、流動資産273億に対して、負債が66億しかないため財務状況的には大変健全かと思います。利益に関しても大きな動きは読み取れませんが安定経営であることは読み取れます。
事業状況
主力のソフトウェア開発は10%弱の継続成長しています。この会社はモバイルネットワークの5G関連のシステム開発していますが、通期の売上300億に対して事業規模は15億円のため好調に推移すれば、業績に大きく寄与するのではと思っています。そのほかのセグメントでは「オープン系」と呼称している部分では公共が減速しているが、流通は伸びてサマリで成長が見て取れます。「プロダクト」と呼称している部分は大学など教育関連のシステム開発になり、コロナ禍で大学が閉じていることもあり減速となっています。統合してみるとQ3時点で受注状況は前期を割っているが業績は横ばいのため会社の予想を超えるか超えないか？という状況に読めます。
統括
株価としてはPBRが1以上あることと、 売上300億に対して時価総額が500億を超えているので割安ではありません。また同売上規模の企業と比較して従業員数が多いため利益効率が悪いように思います。5期連続で増収増益と1株当たり純資産が増加していること、資産に対する負債が少ないので中長期的に見て安定しているのは強みです。また安易にパブリッククラウドに手を出していないことも自社の技術力と市場優位性に自信と実績があることの裏返しと読み取りました。しかし、現時点において大きな成長が見込めないことと、割高の株価を考えると、今の株価時点での投資は難しいです。
以上、よろしくお願いいたします
