Zoom Video CommunicationsのQ1決算

確認します。自称や資料内も「Zoom」記載なので社名や屋号変えたら?と思いますが簡単に変えれないのかもしれない。。

https://investors.zoom.us/investor-relations
https://investors.zoom.us/news-events/events
Zoom First Quarter 2022 Earnings Webinar Earnings Presentation

決算

業績をみると2年で1億$→3億$→9億$と収益は9倍に伸びています。当初ホスト側がZoomを導入していれば、ゲストは導入していなくてもブラウザで参加できるという利便性から大幅に普及していき、12桁のミーティングIDを総当たりで不正参加するZoom爆撃という攻撃や、通信のセキュリティ強度に対する懸念などリモートワークにおける話題の中心でした。収益は大幅に伸びていますが今期Q1の伸びが鈍化しているのが見て取れます。

財務

https://investors.zoom.us/node/8896/pdf
資産は収益が増えていますが減少しています。全体的に減っていますが、割合が多いのは流動資産の株式です。成長期業の投資フェイズにも関わらず負債を大きく減らしているのは素晴らしいです。利益に関しては収益が3倍(3億$→9億$)になり、利益が2.6倍(1億$→2.6億$)になり、営業費用も3倍(2.2億$→6.9億)になっています。販売管理費はどの項目も均等に3倍になっています。
営業キャッシュフローは収入が大幅(2億$→5億$)に増えていて、投資活動で12億$投資しています。

事業

主たる事業のWEB会議は、10ライセンス以上を保持する有料課金企業は265万→500万まで伸びていて、ハードウェアの固定電話やTV会議システムも提供数年で大幅に伸びています。しかし、全世界的にワクチンの接種が進みリモートワーク需要の山は超えたため、WEB会議の有料課金企業は今後減速していくでしょう。

統括

最近ウェビナーに参加するとZoomを利用していることが多くて普及を実感できます。OktaのようなIDaaSと連携可能であるため導入コストは高くないですが、Office365に含むチームスや、Gsuiteに含むハングアウトと比較すると、WEB会議単独で導入する必要がありコストも掛かるので、そこからシェアを大幅に奪うイメージはあまり見えません。リモートワークのソフトウェアは製品独自機能はあまりなく、操作も似たようなものなので、利用者側の移行に伴うコストは安いですよね。

株価は相当な高値のためQ1公開後に下落した後上方修正が出て急騰しました。株価が相当上昇しているため、今後主要事業において利用者が減っていくであろう状況で投資をするのは難しいですが、リモートワークで大幅成長した企業の業績推移には注目したいです。

主観になりますが、上記3製品に加えて、LINE、Webex、SlackでWEB会議を試してみましたがZoomが一番会議の品質が高く、特に通信状況が悪い環境下で差がありました。品質をアピールしたり、差を実感するのは凄く困難ですが、単純な利便性だけでなく品質も含めてZoomの評価につながっているのではと思います。

現状、WEB会議の品質が高く個人の無料ユーザーが大多数のはずです。そのに対する課金プランがないので、ストライプと組んで投げ銭機能をつけて有料プランを作ったり、個人向けの有料ユーザーを作れば別の収益の柱にもなるのではと思います(ZoomはPhoneやRoomなど法人向け機能に進んでいるのでその方針はないと思いますが・・・)。そこにはtwitcastingやDiscordのような別分野の巨人と競合するため困難ですが。

以上、よろしくお願いいたします。