【決算確認】ラクスル 2022年7月期第一四半期

ラクスルは印刷など実際のサービス業事業者とユーザーを仲介するインターネットサービスを提供するテック企業です

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4384/tdnet/2095224/00.pdf
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4384/ir_material_for_fiscal_ym/114824/00.pdf

業績

売上/収益が前年同期で30%伸びていますが減益で赤字となっています。典型的な成長期の企業で利益を出さずに売上を伸ばしていく戦略と見受けます。

ラクスルはマザーズだと思っていましたが東証一部なんですね。。売上総利益を最重要視して中長期的な目標に設定していますが、株価は将来の営業利益など利益の数字に対する評価するものだと思っているため(本音は別であっても)資料上は最重要の数字として設定すべきかと感じています。来年はプライムで稼働する企業として明確な指標を示してほしい。

事業

自分の印象では一般ユーザー向けの低価格短納期の印刷が主事業で広告と配送のサービスが大きく成長している状況です。先日印刷パートナー企業で情報漏えいが発覚しましたが事業モデル的にパートナー先にデータを提供する必要があり漏えいの危険性は常にあります。

corp.raksul.com

今回の決算でそれに対する具体的な対策が出なかったのは企業として特に重要視していないように受け取れます。発覚から決算まで1ヶ月程度しかなかったため準備期間が足りないかもしれませんが企業として取り組む方針を見せてほしいですね。

今は一般ユーザーの需要が多いはずですが大きく売上を伸ばすためには法人需要の取り込みが不可欠で、印刷パートナー含めたセキュリティ対策(実際の施策と対外的情報発信)が必要だと考えています。そうなった場合設備投資の観点から今の価格は維持できないため、トップラインの成長減速する可能性もあり・・・。難しい判断になるでしょう。

今後について

この手のテック企業において組織が大きくなると間接コストが増えて成長鈍化することが多いのですが今後の成長に注目していきます。日本国内の採用が頭打ちになることを見越して採用の窓口を全世界に広げて社内の英語化を進めているのは一つの答えだと思ってます。

先日決算確認したアルファシステムズと売上規模はほぼ同等ですが以下の通り従業員の数が大幅に違います。一方で年収に極端な差はなくラクスルは資金効率の良さを事業の投資に使っていると読めます。今後は人件費への投資(人材価値の高い管理層の獲得)も増えていくため現行メンバーとの折り合いが重要になるはずです

社名 売上 従業員数 平均年収
アルファシステムズ 313億 2800人 582万
ラクスル 302億 447人 647万

今は通期の売上が300億ですが印刷/広告/配送など特大の市場に向けてサービス展開しているので今後も継続成長できる可能性はあります。一番重要なのは法人需要で業界大手が競合として参画してくる可能性が大いにあるので、投資と成長戦略が非常に重要になってくるでしょう。はやめに業界大手と提携できていれば心強いですが・・・。

印刷のコストを下げてより多くの人に機会を作ってくれたのは素晴らしいことですし、自分もユーザーの一人として時間的にも金銭的にも大変コスパが良いサービスと感じています。今後も継続成長してくれることを期待しています。