【決算確認】エヌティティデータ2022年3月第二四半期

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2022年3月期 第2四半期決算短信
2022年3月期 第2四半期決算説明会模様

株式会社エヌ・ティ・ティデータ(以下「NTTD」)はSI事業の最大手事業者です。2022年3月期の第一四半期から大きく成長していて、決算を確認します。

事業

事業は決算資料から以下に区分けしています
・公共社会基盤
・金融
・法人ソリューション
・北米
・中南米

今期特に以下へ注力したとのことです
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災害時に行政や医療など関係者が情報収集/対応できる共通の仕組み

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APIとAPIを繋ぐ中間システム。NTTDと契約(ユーザー登録)すれば複数の会社を横断的に使えるメッシュサービスというイメージか。

SI事業だけやっていても先細りのため、定額サービスやコンサルタント事業も強化して国内外に展開を進めていることが見て取れます。

財務

売上も利益も2桁以上の成長です。特に利益は前年比74%の伸びとなっています。昨年コロナの影響も受けていないにもかかわらず、驚異的な成長です。コロナの影響を受けず、コロナ中のリモートワークと経済再開の恩恵を受けた素晴らしい立ち位置だったようです。
利益は通期予想106,0億に対して71,8億に達しているのでいずれ上方修正がくるでしょう。財務の数字からは前年と比較して特記事項は見つけられませんでした。
以前パブリッククラウドの記事でもお伝えしましたが、デジタル化はまだ始まったばかりで、今後数年は大きな追い風で加速できる可能性が高いと思います。一点懸念は国際情勢的にドル高円安の為替が不利に動いて、しばらく続く見込みということでしょうか。

今後の見通し

第一四半期も第二四半期も絶好調というか信じがたい数字が出ています。しかもその要因は一時的なものではなく、今後サポートや中長期的な契約になっていると予想できるため、今後もしばらく良い決算が続くと予想しています。

日本で長年事業展開したことによる安心感と全国に広がったグループ会社による手厚いサポートも使える。各社がしのぎを削るスマホ決済事業も、銀行口座からの入金はこの会社が提供するCAFIS(キャフィス)という決済金融プラットフォームを通ることが多いため、どの会社が勝ったとしてもこの会社が継続的に恩恵を受けるでしょう。

もちろんユーザーがSIerにシステム開発/運用を発注しなくなる可能性もあります。セールスフォースは専門知識を持たない人でもGUIでシステムを構築でき、大幅に利用者を増やしています。MSのPowerCloudや、サイボウズのkintoneもこの会社の競合と言えるでしょう。

近年のSIerはただのシステム開発をしているだけでは業績が悪化しているはずで、ユーザーに寄り添い、業務を理解して、システム面の継続的改善を提案できる業務委託業者ではなく協力事業者(ビジネスパートナー)になることが求められています。この会社の業績が伸びているのは、そのような動きができているからだと思います。

次の決算は2022年2月、SIerやSaaS事業者など競合は多くさらに期待が集まるはずですがそれ以上の数字を期待したいです。