時代の需要を掴めるか_ベネッセホールディングス2022年3月期第二四半期

読むとひどいの一言で終わります。先日Zホールディングスの決算を見て数字上は減益だったけどよく読むと悪くない決算でした。

しかしベネッセさんは数字も今後の見通しもかなり厳しく、事業の選択や構造改革を決断すべきタイミングだと感じています。決算の資料にも「変革」の文章が何度も出ていました。


進研ゼミのような個人向けサービス、進研模試/ミライシード/Classiのような学校向けサービス、介護サービス、大学生や社会人向けのUdemyなど多数の事業を展開していますが、好調と言えるのはUdemyくらいでしょうか(Udemyは業務提携している形ですが)。


日本の教育業界はコロナもあり、大きな変化を続けています。既存の教育事業で大きなシェアを持つベネッセ社にとっては脅威でしょう。

特にベネッセはClassiやミライシードなど学校との関係性を生かして先生向けと生徒向けに多数の機能を提供していますが、競合他社と比較して、特化している部分が少ないと感じています。

特に現代は特定の部分に特化したサービスをお金を払って利用する意識が強く、色々できるけど特色がないサービスは苦戦している印象があります。Classiでもスダディサプリと、ミライシードはロイロノートと競合になりますが、それぞれ特徴がはっきりしている相手に逆転していけるか?注目していきたい。

頼みのUdemyは法人向けで大きく成長しているとありますが、アメリカの本体の決算では2022年に入ってからは売り上げの増加が鈍化しているようにも見えます。こちらもどれくらい成長するか未知数ですね。。

例えばGIGAスクール構想という生徒1人に対して1台タブレットを配布して教育に使う、という方針ですがハードにこだわりすぎるとソフトウェアを丸ごと別の事業者に持っていかれるというケースを懸念しています。


主たる顧客層の児童や学生は少子高齢化で確実に減少していくため、社会人学習のUdemyや、介護事業の成長を期待していきたい。

Udemyの成長がいつ頭打ちになるかわからないので、コロナで苦戦している介護事業の早期立ち上がりを見たいです。

いずれにしても主要の教育事業は一過性の不調というよりはマーケットの縮小や教育の根幹の考え方の変化など、観点に改善できるものではないと感じました。

継続成長していくには介護と大学/社会人の教育事業の業績が上がることが不可欠です。今後はそれらのセクターと並べて成長を比較していきたい。

主たる事業で減速していて、業績回復の道筋が見えていないため、今買いには入れません。ベネッセ社の問題ではない部分もありますが、Classiの情報漏洩や、東京都の都立高校のスピーキングテストでの受注の動きなど、後ろ向きなニュースが多いと感じています。

特に教育サービスにおいて企業のイメージは大切なので、この観点でも業績に注目していきたい。