児玉化学工業の決算

読みます。児玉化学工業は成形樹脂の加工を主に自動車部品を作っている。タイとベトナムに生産拠点があります。

決算

https://www.kodama-chemical.co.jp/ir/
2021年3月期決算短信を発表しました
定款の一部変更に関するお知らせを発表しました

内容 2020通期 2021通期 差分 2021予想 2022予想
売上 178億 137億 ▲22.9% 130億 142億
営利 1.8億 5億 177% 4.6億 8億
経利 ▲0.1億 3.5億 - 3.2億 7億

前期と比較して減収増益となっています。会社の予想と比較すると大幅に超えた業績が出ていました。

財務

資産の現金が倍に増えてます(8億→19億)。固定資産の建物や機械資産の減損を多数計上していますが、多額の負債となるより減損できているのは財務整理として評価できるかと思います。29億分の土地と、2億以上の株式の計上があり流動資産として大変心強いです。負債に関しては50億円以上の借入金がありますが、前期と比較して15億円以上返済できていて収益構造でも大きな問題はないように読めます。
キャッシュフローは、気になる項目が多いですが、「有形固定資産の取得による支出」は設備投資によるものと、「株式の発行による収入 」は第三者割り当て増資分の10億円かと思います。財務状況はかなり厳しい状態でしたが、負債を減らして、負債の利息も減っているので改善が見て取れます。

事業

自動車の後部座席の枠組みやバンパーなど内装加工事業は想定よりも早く回復したとのことです。近年ガソリン車からEV車に構造が変わっていますが、内部の仕組みが変わったとしてもおおきな影響は受ける懸念は少ないと思います。住宅事業は設備の内装などの加工製品を作っていて、洗面台需要などが好調に推移したことと、不採算資産の整理を行ったとのことです。エンターテイメント事業はゲームソフトの外装(パッケージ)が在宅需要で好調に推移しました。

統括

2015年3月から営業利益が赤字が続いていましたが、2020年3月から2期連続で増収増益に転じたことと、今期さらに収益基盤固めとして配当を出さない判断をしたことで改善に向けた強い意志を感じました。この会社の売上の100億円は自動車の部品加工ですが、会社の製品の特徴でもある「高剛性かつアルミ並みの軽量化」加工品は今後需要が拡大するのではと思っています。ガソリン車からEV車に標準が変わっていく中で車両の軽量化がすごく重要になっていくはず(軽量化によって走行距離が伸びる、パーツの輸送コスト減など)。なので、IRは日次で注目します。

時価総額40億でPER11倍という状況で割安株になるかと思います。過去業績が減益した時の原因を見ると、コストダウンや効率化を進めたが効果が出ず、間接作業が増えたことによるものでした。今期は過去の構造改革の成果が出て、大幅に利益を積み上げましたが、継続して利益が出せるか?は未知数なので強気投資は難しいです。まずQ2まで状況を見て、自動車市場の需要が上昇していることと、この会社で売上と利益の進捗が進んでいることを確認してから投資したいですね。

今回の業績は2月に出た上方修正の内容とほぼ同等の内容で、IRが出た時に589円まで急騰したので上昇基調に入ると思います。予想は増収増益なのでQ1やQ2で順調に進捗を積み上げられれば、株価も続伸していくはずです!

以上、よろしくお願いいたします。