ジャパンディスプレイQ4決算

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決算

https://www.j-display.com/ir/library/index.html
2021年3月期 決算短信
2020年度 通期決算説明会

進捗推移
https://tyn-imarket.com/stocks/6740?term=annual

2016年03月期以降、2桁の減収が続いていて、売上が32%マイナス、利益は赤字ですが前期と比較して100億以上改善しています(▲577億→▲326億)。

財務

資産は赤字額が大きいため大幅に減少していて、建物や機械も徐々に償却を進めています(3897億→2249億)。負債は短期借受金の返済と前受金として計上していたものを大幅に減少できています(3363億→1831億)。利益は売上高が大幅に減っています(5040億→3416億)。売上高と売上原価がほぼ同じ数字になっていて、販売費など営業経費がそのまま赤字になっているように見えます。他にも営業外費用など数億計上していますが、売上と原価の額が大きすぎてあまり気になりません。2020年03期は売上高よりも売上原価の方が大きいので、これでも収益構造を改善した結果かと存じます。昨年は株式、今年は固定資産などを売却して運転資金を捻出していて、財務としては危険な水準に入ってきているのが見て取れます。

事業

事業ではモバイル、車載、ノンモバイルの3事業の記載があります。モバイルでは「主要顧客のスマホメーカー製品がOLEDシフトに伴い、液晶の受注が大幅に減った」と記載があります。スマホのディスプレイは液晶からOLEDに向かっているため、今後受注が増える見通しが立たず、生産機能を売却したのは良い判断だったかと思います。車載は車の市場が減速気味であったため、ナビやパネルの画面需要が減ったことと、全世界的に半導体が不足していたことで減収となったかと思います。ノンモバイルはデジタルカメラやウェアラブル需要増に伴い、2桁成長しています(13%)。モバイルの売上が60%を占めるので、黒字転換はそこの改善が不可欠です。

統括

固定資産を売って190億の収入を得ても231億円の支出があるため、まずは売上原価を下げる収益構造の改革を優先すべきかと思います。規模が大きすぎて小回りが効かないかもしれませんが、スマホなど不採算部門を徐々に縮小していき、ウェラブルなど成長部門に投資して、まずは黒字化を目指して欲しいですね。決算資料には既存のOLEDと比較して高度2倍、消費電力1/2の次世代OLEDを開発中とのことで、それが量産でき、軌道にのれば売上と利益の大幅改善も見込めるかと思います!

時価総額363億、赤字で、売上高も減収のため、現時点で投資は難しいですね。黒字反転したら投資検討したいと思います。

以上、よろしくお願いいたします。