任天堂に投資したかった

任天堂はゲームソフトやゲーム機を提供する企業です。通期の決算が出たので読みます。

https://www.nintendo.co.jp/ir/library/earnings/index.html
2020年度 第81期(2021年3月期)
決算短信

売上は前期から30%以上の増収、利益は脅威の80%以上の増益というGAFAと比較しても遜色ない数値となっています。

業績の推移

 前期はコロナ禍の入り口で在宅需要が強くなったこともあり、業績が上向きました。今期は最初から緊急事態宣言が出ていたことと、人気タイトルの発売もあり、最初から最後までスイッチが品薄になるほどの人気を維持していて、1兆7500億円という売上につながりました。セグメントで比較するとゲーム専用機が95%、スマホやIP関連収入が5%程度の割合となっています。

財務状況

 貸借を見ても、資産負債に関しては特に問題ないかと思います。資産2兆に対して負債が4000億円であり、これだけ成長している会社にもかかわらず財務状況は極めて健全な状態になっています。利益に関してもいくつかマイナスになっている箇所はありますが利益額と比較すれば大きな影響はないと読めます。

事業の状況

 任天堂の話題になると、毎回自社ハードウェアはスマホに負けるという話が出ますが、減速が全く見えず3000万台に到達する勢いで普及していて、今期の100万本売り上げたゲームタイトルが36本出るなど、出す情報全て桁違いの結果です。以前サイゲームスを日本一のゲーム会社だと言いましたが、サイバーエージェントの決算が霞んでしまうような驚異的な決算ですね(任天堂はサイゲームスの出資元ではありますが・・・)。
 在宅特需銘柄全てに言えることですが、今期の数字が良すぎて来期大きく減速してしまうリスクがあるため、継続的成長は注視していきたいです。特に任天堂はゲームの買い切りの比率が高いため、今期ポケモン、マリオ、スマブラなど有力ゲームを多数投入してしまったことによる、来期収入の柱をどこに置くのか懸念しています(来期予想の数字はそれを見込んでいると思います)。
 単純にゲームを売るだけでなく、初めてのゲームプログラミングなど教育体験事業にも参画していくなど継続的な成長への投資も見て取れ、心強いですね。

統括

 この会社の株は高騰しすぎて、いつか急落すると思っていましたが半年経ちました。今回素晴らしい通期決算となりましたが、来期予想が非常に厳しいものになっているため今日以降は下落基調になると思います(PTSは1桁マイナスの状態です)。時価総額8兆円に対して、絶好調時の売上が2兆円で、来期予想が1兆6000億円のため、来期の決算と株価の推移は厳しいものになるのではと思っています。主観ですが現時点の発売予定ゲームにおいて計算が立つタイトルはポケモンダイヤモンドパールのリメイクのみで、この予想は強気だと思ってます。今の株価が高すぎて、投資に対するリターンが得にくいので、現時点での投資は見送り、もう少し資金をためて検討したいです。

以上、よろしくお願いいたします